発祥の地 ~東小金井~ その1
先日ひょんな事から母校の近くまで行くことがあったので、
懐かしの東小金井を探訪することにした。
なんと言っても感慨深いのは私の学生生活の本拠地である、4畳半1間、トイレ・風呂無し家賃2万円アパートにまつわる話である。
当時、親父と部屋を探して不動産屋を周っていたのですが、管理人さんが
「みんな物置として使っていますが…えっ、住むの?」という反応だったのを今でも覚えております。
部屋と言うよりどちらかというと、大きめの箱と呼んだ方が良いかもしれません。
大変だったのは風呂が付いていないこと。
お陰で入学直後は同期の女の子達に、僕の名前を覚えられるより先に「風呂が無い人」の異名を付けられるハメになりました。
高校時代パッとしなかった僕は夢のキャンパスライフに憧れていたのですが、
のっけから出鼻をくじかれることになったわけです。
そんな学生時代に想いを馳せ、僕は東小金井の街並みを楽しみながらアパートに向かっていました。
そして、僕が数年間お世話になったアパートに辿り着きました。
それがこちら。
う~ん、あれから10年になるが相変わらずのボロアパートだ!
しかしバラ色のキャンパスライフを夢見る少年にはモンサンミッシェルにしか見えません。
このモンサンミッシェルへの入り口がこちら。
裏口? と思われた方もいるかもしれません。
まごうことなき正門である。
しかしキャンパスライフを夢見る少年には凱旋門にしか見えません。
あまりの懐かしさに僕はもはや自然に体を奥へと進めていました。(ややカニ歩きで)
奥には2階へ上がる階段がある。
僕が住んでいた部屋は2階の203号室。今にも崩れ落ちそうな階段を登る。
ここが2階だ。
左に見える箱は僕が使っていた下駄箱だ。
もはや朽ち果てている。
全体的に、何だか火事にでも遭ったかのような朽ち果て具合だ。
ここまで来た僕がかつて住んでいた203号室をのぞいてみようと決心するのに、もはや時間はかからなかった。
本当にお世話になったアパートだ。学生時代がフラッシュバックする。
僕は神妙な面持ちでアパート内部への扉の前に立った。
言いようのない懐かしさと期待を胸に、僕はドアノブに手を伸ばす。
ガチャガチャ・・・
「あれ? 開かないぞ?」
ふとドアノブの上に目をやると・・・
封印されているっっ!!
しかもこんな鍵の掛け方ありか?
モンサンミッシェルに南京錠とはこれいかに。
あろうことか、僕の住んでいたモンサンミッシェルは閉鎖の憂き目にあってしまったようです。
確かに当時で既に築35年ぐらいだったので、今からすると築45年ぐらいになるわけですから仕方がないか。
閉鎖はされてしまいましたが、このモンサンミッシェルには他のアパートには無い特権があるのです。
屋根の上にあがれるのです。
僕はもはや当たり前のように階段を登り始めておりました。
屋根に登り、飛び込んできたのは眼下に広がるまばゆい絶景。
…というのはウソで、実際の眺めはこちら。
電線多っ
まぁ2階からの眺めではしょうがないですね。
というかむしろこの時、いつ足元の屋根が抜けるか心配で心配でほとんど身動きが取れない状態でした。
それにしても本当に懐かしいな~
やっぱり記念に一枚。
世直しぜよ!!!
そんな気分でした。
当時はバラ色のキャンパスライフに憧れ、俺も大学デビューを果たすぞ!と、
抜けそうな屋根の上で熱くなったものですが、
これが後に言う虎の穴時代の幕開けでありました。
つづく