アシダ、差し入れる
贈り物で人を喜ばせたいじゃないですか。
ということでいつも髪を切ってくれる銀座の美容師さんに差し入れを持っていこうと思ったんです。(銀座なのにリーズナブルなんです。)
ここでの課題はやはり「何を差し入れるか?」ということです。
僕なりに考えを張り巡らせながら、有楽町近辺を探索しておりました。
その美容師さんは女性なのですが、やはり無難にクッキーとかチョコレートだろうか、と考えたのです。
こんなやつ
しかし、、、しかしですよ。
女性はひょっとしたら甘いものを食べることにより太ることを気にするんではないだろうか?(偏見だったらゴメンナサイ)
それならばスイーツはNGだな。
他にはどんなニーズがあるのかを考えてみよう。
美容師と言えば、お客さんの髪を切りながらも常に自分の姿を見られる仕事だ。
ということは自分の見た目には注意を払っているはず。しかも銀座の美容師。美容にも相当気を使っているはずだ。
美容か・・・スイーツのような甘いものではなく美容に良い物・・・う~ん・・・
有楽町をそんな風に放浪していると目の前に突如現れた、あるお店。
こっ、これはっっ! 我が意を得たり!
僕が腐心して探し出した美容師さんへの差し入れ。
それがこちら。
一応、断っておきますがウケ狙いではないですからね。
美容師のニーズを多角的に満たす事のできる最善のアイテム、
それがこの「すっぽんドリンク」なのです。
僕はスッポンドリンクを1セット購入し、威風堂々と美容院に向かいました。
受付のお姉さんに上着とすっぽんを預けて待合いスペースへ。
「久しぶりですね~3ヶ月ぶりぐらいですか?」と、いつも担当してくれているA子さん登場。
相変わらずキレイだな~と感心しながらも鏡の前へ。
「今日はどんな風にしますかね~」なんて話してましたが、僕は早く答えが知りかったんです。
ザギン女子のテンションが上がる差し入れとは一体何なのか、を。
銀座で働く友人なんていない僕にとって、ザギン女子であるA子さんは新人類のような存在だ。
率直に聞いてみた。
「A子さんは差し入れをもらうなら、何をもらったら嬉しいですか?」
すると
「やっぱり立ち仕事なんでー、
事務所戻った時に甘いものがあると喜んで食べちゃいますねー!」
い き な り 外 し た
こ、この鏡に映っている憔悴しきった男は一体・・誰?
僕でした。
僕はいてもたってもいらず素直に告白することにしました。
僕「実は今日、お店に差し入れを持ってきたんです。 す・・・す・・・」
A子さん「す?」
僕「すっぽんドリンクを持ってきました・・・」
鏡越しに見るA子さんの怪訝な顔がイタイ。
何かしゃべり出さないとその後の空気が手の施しようがないものとなる可能性があったため、手遅れになる前にハッキリと聞いてみた。
忌憚のないご感想をお聞かせください!
・・え
・・・え
・・・コメントしづらいです・・・
新人類、コメントできず。
美容院への差し入れはよくあるそうですが、すっぽんを差し入れてきた人間は前代未聞との事でした。
僕はがっくりと肩を落として美容院を去りました。
ちょうどその日の夜、友人のB子さんと会うことになっておりました。
このままでは出汁を取られたすっぽんも浮かばれないと思った僕はB子さんにその日の顛末を聞いてもらいました。
僕は熱っぽく己の持論を展開したのですが、
B子さんは一通り話を聞き終わると開口一番こう言った。
すっごいバカだと思う。
なっ、にーー!!!
こっ、このオレが・・・バ カ・・だとぉおお??!
次の瞬間、僕はB子さんに拳を振り上げずに頭を下げて教えを乞うていた。
彼女から学んだことは以下のような事だ。
・人気ランキングにのったり話題になっているものは女子は結構喜ぶのでチェックしておくと良いこと。
・相手のことをよく知らないのであれば、無難でもいいからとにかく外さないチョイスをすること。
・あんまりひねった物を送られると逆にエゴを感じてしまうこと。
な、なるほどですね先生!!
確かに、ベタな差し入れじゃ嫌だなという己の感情、すなわちエゴが介入していた。
サービス提供者としてあるまじき行為であった。
僕はその後も先生の教えを熱心にメモし、帰路についた。
この日は大変な学びを得た1日でしたが、これから自分が負うであろう生傷の数々を思うと夜も眠れないのでした。
P.S.
この記事を読んでくれている女性の皆さんへ。
あなたがもらって嬉しかった贈り物をコメント欄に書き込んで頂くとアシダが1つ成長します。
お礼にすっぽんドリンクをプレゼントするかもしれません。