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アシダのアシダによるあしたのためのブログ

カンボジア奮闘記 ~血の章~

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ぼくはカンボジアへ出発する前に、

現地のいろんな方に連絡を取っていたのですが、

ある方から現地で働くニ人の日本人女性を紹介してもらえたのです。

 

 

お一方は現地でハーブの事業をされている方で、

もう一人は医療機関で働かれている方でした。

 

 

現地でお二人と夕食をご一緒させていただいたのですが、

翌日は彼女が働いている医療センターを見学させてもらえることになりました。

 

 

普通の観光とは違った経験をしたかったぼくは喜び、

翌朝、意気揚々と医療センターへ。 

 

 

カンボジアの医療現場を一通り見学させてもらうと、

 

「良かったら献血してかない??」

 

とのオファーを受けました。

 

 

け、献血??と正直ビビりました。

 

 

というのは、ぼくは

を見るのが大の苦手なんです。

 

 

大学の健康診断の時、

2ミリリットルの採血で倒れた経験があるほどです。

 

  

たった2ミリリットルの出血で貧血に陥るぼくの体は、

一体どれだけギリギリで回してるんだ、と

運び込まれた医務室で愕然とした記憶があるぼく。

 

 

そんなぼくには400ミリリットルの献血など

致死量に匹敵するのではないか?と懸念したのです。

 

 

ぼくはさらに献血する自分の姿を想像しました。

 

 

針を腕に刺してまず吐き気、

採血開始と同時に顔面蒼白、

やがて失神、絶命へ・・・

 

 

顔色の変化から絶命までのスピード感に先生も慌てるだろう。

 

 

鷲巣だって誤算なはず。

  

 

そんな妄想をしつつ、ふと辺りを見渡すと、

白人さんの観光客で献血をしている人たちがチラホラ。

 

 

話によると、欧米の方々は旅行がてらに献血をしていく人が結構いるとのこと。

 

 

そんな話を聞いたぼくは思いました。

 

 

日の丸を背負っているこのぼくが、

芦田うざえもんという武士の末裔であるこのぼくが、

ここで一肌脱がないわけにはいきません。

 

(ちなみにぼくのご先祖様は明智光秀にやられました。)

 

 

ぼくは気を確かに持ち、

力強く承諾するとラウンジに通されました。

 

 

その部屋には数人の若きカンボジア人医師とおぼしき人たちが。

 

 

 

ぼくは彼らにカタコトの英語で献血をする事を伝えると、

彼らはとっても嬉しそうでした。

 

 

彼らはとても親切で、なによりもその素直な笑顔がまぶしかった。

 

 

ぼくは彼らと素敵な友好関係を築くと、荷物を置いて採血室へ。

 

 

そこにはカンボジア人の女性医師がいて、

彼女がぼくの採血を担当してくれるようでした。

 

 

ぼくは英語で、さぁカンボジアとジャパンの友好のためぼくの血液をその証として使ってくださいと言えなかったため「プ、プリーズ」とだけ言って作業を進めてもらいました。

 

 

まず血圧の測定から。

測定機器は日本のものとほとんど変わらない。

 

 

腕に巻いた布の圧が高まっていく。

 

 

ぼくは、あぁ、このような形で貢献できるなんて、
カンボジアの親善大使に就任するのも時間の問題だなぁと思っていると、機械から

 

ピーッという音が。

 

 

と同時に先生が

「Oh, my ...」

 

 

ぼくは何事かと彼女の顔をのぞき込むと、彼女は言いました。

 

 

 

「Blood is low pressure...」

 

 

 

要するに、

 

血圧が低くて採血できない とのことでした。

 

 

ぼくは愕然とした。

このままではラウンジには戻れない。

 

 

あんなに喜んでくれた彼らに合わせる顔がないではないか。

 

 

ぼくはマジで考えた。

 

 

今すぐトイレへ行って、鬼スクワットしてからもう一回測定したらごまかせるだろうか・・・?

 

 

あるいは、息を止めながら測定しなおしたら??

 

 

バイアグラだ、今すぐバイアグラをガブ飲みしたい。

 

 

しかし先生に、残念ですが・・・と言われると、

ぼくはうなだれながら採血室を後にすることに・・・

 

 

ラウンジに戻ると

意外と早かったね、と言わんばかりに皆こっちを見ている。

 

 

当たり前だ、

1ミリも 献血してないのだから・・・

 

 

 

ぼくはこわばった表情でたたずんでいたが、

彼らをまっすぐ見据え、

重々しく口を開くとこう言った。

 

 

 

 

 

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「マイ ブラッド イズ ロープレッシャー。」

 

 

場の空気が凍る。 

 

 

今までこんな情けない事情説明をしたことがあっただろうか。

 

 

マイ ブラッド イズ ロープレッシャー

 

 

ディス イズ ア ペン

にも勝る悲しい響き。

 

 

マイ ブラッド イズ ロープレッシャー

 

 

ノーミュージック ノーライフ

 

 

並べてみたけどオシャレにならない。 

 

 

ぼくは改めて説明した。

 

 

ブラッドのプレッシャーがローなため献血できなかった事を。

 

 

ぼくは彼らの苦笑いを死ぬまで忘れないだろう。

 

 

きっとまた、ここでもこう思われたに違いない。

 

 

 

 

困ったジャパニーズだぜ!!

 

 

 

ぼくのカンボジア一人旅は続く。

 

 

カンボジア奮闘記 ~初夜の章~

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こんにちは。芦田です。

 

 

今回は2016年のことになるのですが、

ゴールデンウィークに職場の冷たい視線を黙殺して9日間の連休を取り、

カンボジアを一人旅した時のことを書き綴っていきたいと思います。

 

 

なぜカンボジアなのかというと、
当時出会ったメンターがカンボジアで活躍されているのを見て、

 

 

「じゃあぼくも行ってみます。」

 ってことで行くことに決めたのが始まりでした。 

 

beperson.hatenablog.com

 

出発当日、成田でぼくは意気揚々と飛行機に乗り込みました。

 

 

今回はサイパンの時のように

羽田と成田を間違えた

なんてことはなく無事にチェックインすることができました。
(奇跡で渡航できたサイパン旅行については別途書きます。)

 

 

飛行機も無事離陸し、これから一体どんな旅になるのだろうと
不安と期待に胸をふくらませていたのですが、

さっそく事は起こりました。

 

 

年季の入っていたぼくのメガネ、

まさかのこのタイミングで天寿をまっとうしようとしておりました。

 

 

メガネのちょうつがいのネジが何かの拍子に吹っ飛んだらしく、
片方のレンズがどこかへ飛んで行ってしまったのです。

 

 

あまりに突然のことで、
ぼくはかけていたメガネのレンズが片方外れてしまっている事が分かりませんでした。

 

 

すると片目だけが視界がぼやけていて、一瞬パニックに陥ったわけです。

 

 

ついに目がおかしくなった、と。

 

 

先日、沖縄での素潜りで

うっかり鼓膜を破った時もテンパりましたが、
この時も同様にテンパりました。

 

 

ついにやってしまったな、と。

 

 

高低差で耳がキーンとなるのは分かっていましたが、

 

目がキーンとなるとは思いもよらなかったわけです。

 

 

やがて冷静さを取り戻したぼくはメガネの異変に気付き、
レンズを探して座席の周りをガサガサしていました。

 

 

すると隣に座っていた日本人の老婦人が

「どうしたの?」と声をかけてくれたわけです。

 

 

わけを話すと老婦人もぼくのレンズ探しを手伝ってくれました。

 

 

そして二人でガサガサとしていると、
前後に座っていた韓国人さんたちも一緒になって探し始めてくれました。

 

 

国際協力の素晴らしさを感じながら

みんなでしばらくレンズ探しをしていたのですが、

 

 

なくなったレンズは
ぼくのお尻の下敷きになっておりました。

 

 

手伝ってくれた人たちの目がこう語っていました。

 

 

困ったジャパニーズだぜ!!

 

 

ぼくは日の丸を背負っているというのに出だしから何たる失態。

  

 

そんなこんなで隣の老婦人と仲良くなり、色々なお話をしました。

 

 

その方は都内某所で宝石商を営んでいる方で、
世界中の子どもたちに色々な物を寄付して周っている素敵な方でした。

 

 

縁とは不思議なもので、
帰国後、彼女に渋谷でイタリアンをご馳走してもらうことになるのです。

 

 

韓国でのトランジットを済ませると、
無事、真夜中の首都プノンペンに到着しました。

 

 

着いた瞬間、

 

熱っっ!

 

 

さすが東南アジア、
蒸し暑いことこの上もありません。

 

 

久々の海外に胸を踊らせて空港を出ると、

そこにはあたり一面覆い尽くすように観光客を待ち構えているトゥクトゥクの運転手達。
トゥクトゥクとは東南アジアでは一般的な、

バイクに荷台がくっついたタクシーみたいな車の事です。)

 

 

彼らのギラギラした視線に晒されていると思わず、

「あれ、ぼくの肩にネギついてる??」

と疑いたくなります。

 

 

ビビりまくったぼくは誰とも目を合わさないようにして
運ちゃんの群れの中を突破しようとしました。

 

 

あの関ヶ原を敵中突破した、

島津義弘の御霊が芦田に取り憑いたかと思わんばかりの突破。

 

 

そんな中、

一人のカンボジア人の運ちゃんがぼくの敵中突破を阻みました。

 

 

運ちゃんはニコニコしながら
「ヘイ、兄ちゃん、どこのホテルだい?乗っけてくぜ。」
みたいな事を言ってくるわけです。

 

 

敵中突破(徒歩)でホテルまで行く事はさすがに無理なので、
ぼくは運ちゃんとの運賃交渉を始めました。

 

 

相場の3倍ぐらいの金額を提示され
ネギでぶっ叩いてやりたくなりましたが、
ここから交渉して値切っていくのが一般的なのです。

 

 

ぼくは、

いや、それじゃダメだね、他を探すよ。

と伝えるのですが、

 

 

やはり、そこは芦田。

 

ナメられるんですよね。

 

 

全国ナメられインターハイがあったならば

ベスト8は固いだろうとささやかれたほどです。

 

 

というのも、運ちゃんはニコニコしながら、
ぼくの荷物を勝手にトゥクトゥクの荷台に積み込み始めたのです。

 

 

ぼく
「な、なんて強引なんだ、これでは為す術もない…」

 

「し、しかし、日の丸を背負っているサムライであるこのぼくがここで引いたら、
これから幾人ものジャパニーズがナメられることになるんだ、負けられん!」

 

 

ぼくは自分の荷物をひったくり返すと、運ちゃんは

「冗談だよブラザー(テヘペロ)」

みたいな事を言ってくるわけです。

 

 

ぼくは、まったくチャーミングなカンボジア人だなーとは思わずにこのブラザーをネギでぶっ叩きてえと思ったものの、
その後も交渉を続けて何とか相場に近い値段で契約成立。

 

 

この調子ではネギが何本あっても足りません。

 

 

しかし、ひとたび話がまとまれば運ちゃんも気さくなカンボジア人。

 

 

カンボジア語クメール語)での挨拶を一通り教えてくれました。

 

 

こんにちは は スオスダイ

ありがとう は オークン

だよ、と。

 

 

「こんにちは」に関しては、

勉強してた言葉とちょっと違うな~と思いつつも、

 

 

ネットで予約していた安ホテルに着いたぼくは、
覚えたてのカンボジア語をさっそく使ってみることにしました。

 

 

ホテルに入るなりフロントにいたスタッフさんに

「スオスダイ!」と声をかけたのですが、

 

 

スタッフさんの反応は

 

 

ポカーン

 

でした。

 

 

発音がおかしかったかなと思ったぼくでしたがあまり気にせず、
つたない英語でなんとか初チェックインを済ませました。

 

 

ぼくは

「ちゃんとネットで予約できてたー!」

と当たり前ですが改めて感動しました。

 

 

部屋で落ち着いてから「スオスダイ」の意味を調べてみたのですが、
親しい人に気軽に挨拶する時の言葉だそうです。

 

 

となると、ぼくの行為は日本で例えると、

 

東横イン

 

「うい~っす!」

と言って入店したようなもんだったと思われます。

 

 

そりゃあスタッフもポカンとするでしょう。
(ちなみに通常の「こんにちは」は「チョムリアップスオ」と言います。
勉強していったこっちを使えばよかった…)

 

 

メンターの紹介で翌朝落ち合うことになっていたカンボジア人のR君に、
無事ホテルに着いた旨を連絡するため電話をかけました。

 

 

すると、

 

 

R君
「・・・はい。」
(何とか聞き取った英語のニュアンスを記述します。) 

 

 

ぼく
「Oh! アーユー ミスターR? イッツミー! アイアム芦田!!」

 

 

R君 
「え、は、はい、芦田さん、どうかしましたか?」

 

  

ぼく
「イエス、アイアム アライブ アットザ ホテール!」

 

 

R君
「は、はぁ、そのようで・・・」

 

 

ぼく
「(あれ?)・・・アイアム芦田!ドゥーユーノー??」

 

 

R君
「は、はい、それは分かるのですが・・・」

 

 

・・・

どうもイマイチ歯切れが悪いなぁと思ったのですが、

 

その時、

 

 

はっ!

 

と気付いたのです。

 

 

室内の電話からかけてる

 

・・・てことはまさか、、、

 

 

 

フロントにかけているっ?!!

 

 

 

ぼく 

「ア、アイムソーリー!!」

ガチャン!!

 

 

はぁ、はぁ・・・

日の丸を背負うサムライとしたことが、

とんでもない過ちを犯しちまったぜ・・・

 

 

それにしても、

奴はなぜオレの名前を知っていやがったんだ??

 

 

 

フロントだからである。

 

ついさっき手続きしてくれたお兄さんだからである。

 

 

不幸にもお兄さんは、
ぼくが芦田である事だけは必然的に分かっていたので若干会話が続いてしまったのだ。

  

 

電話越しに狼狽していたお兄さんもこう思ったに違いない。

  

 

困ったジャパニーズだぜ!!

 

 

そんな初夜を過ごしたぼくはこれから待ち受けているであろう前途多難を思うと身震いするのであった。